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あたかも普通の恋愛小説
第7章 メディスン
「私のこと、好きですか?」
大事なのはそれだけ。
「ごめん……実は隠し撮りしてた。可愛くて、つい」
「隠し撮り?」
「俺けっこう最低」
はじめて会ったのは私がナンパで男のひとに無理矢理連れていかれそうだったとき。彼はナンパ男の映ってる画像を消していた。他にも何枚かあったなら、私の顔が映ってるものもあったのかもしれない。
「カラオケボックスで会った日も、部屋に運ぶとき……本当は小鳥にキスされて」
「えっ」
「俺、キスなんてはじめてだったから……忘れられなくて」
知らなかった。恥ずかしいのと嬉しいのとが混じって。
「……そういうの、嫌じゃない?」
「嫌じゃないです。嫌われてるかと思ってたから、嬉しいです」
「寝顔も隠し撮りしたんだけど」
思わず笑っちゃった。真壁さんかわいい。