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秘密
第6章 酔い
空になった缶を捨て、携帯を耳にあてる。
いつもならすぐに誰かが出る筈の自宅の電話。その呼び出し音が10回を超えた。
義母がまた具合が悪くなったのではと不安になってくる。
「はい、西村でございます」
「あ、お義母さん、よかったぁ…」
『沙織さん?
ごめんなさいね、お風呂に入ってたもんだから』
慌てた様子の義母にほっと胸を撫でおろす。
「そうだったんですか、…私はまたてっきり…」
『沙織さん、今どこ?』
「あ、はい。いつものコンビニを出たところです」
『まあ、随分早かったわね、純子さん大丈夫だった?』
「えぇ…、まぁなんとか。あの、慎一郎さんは…」
夫には寝ていて欲しい。
『今お風呂に入ったところよ。…沙織さん、悪いんだけど牛乳がなくなりそうなの…』
「わかりました、買って帰ります、他に何か?」
来た道を引き返す。
『そうねぇ…、あとは…そうそう、あなたが気をつけて帰って来る事…』
沙織は微笑みながら「はい」と返事をして携帯を閉じた。
「牛乳牛乳…」
嫁の顔に戻った沙織は、再びコンビニに入って行った。
いつもならすぐに誰かが出る筈の自宅の電話。その呼び出し音が10回を超えた。
義母がまた具合が悪くなったのではと不安になってくる。
「はい、西村でございます」
「あ、お義母さん、よかったぁ…」
『沙織さん?
ごめんなさいね、お風呂に入ってたもんだから』
慌てた様子の義母にほっと胸を撫でおろす。
「そうだったんですか、…私はまたてっきり…」
『沙織さん、今どこ?』
「あ、はい。いつものコンビニを出たところです」
『まあ、随分早かったわね、純子さん大丈夫だった?』
「えぇ…、まぁなんとか。あの、慎一郎さんは…」
夫には寝ていて欲しい。
『今お風呂に入ったところよ。…沙織さん、悪いんだけど牛乳がなくなりそうなの…』
「わかりました、買って帰ります、他に何か?」
来た道を引き返す。
『そうねぇ…、あとは…そうそう、あなたが気をつけて帰って来る事…』
沙織は微笑みながら「はい」と返事をして携帯を閉じた。
「牛乳牛乳…」
嫁の顔に戻った沙織は、再びコンビニに入って行った。