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秘密
第6章 酔い
電車を降りた沙織は、いつもの自分を取り戻そうと家から10分の場所にあるコンビニに立ち寄った。
トイレに入り、鏡を見て髪を整え、倉本に吸われた唇を指でなぞる。
瞳が潤んでいるのは躰に残る余韻のせいだった。
ショーツを穿いていないせいで意識が下腹部に向いてしまい、歩く度に不安になる。
夫のある身でありながら、こんな危険を犯してしまった自分に驚き、また、男の腰に自ら脚を絡ませ、その指に夢中で腰を押し付けてしまった事が恥ずかしい。
こんなに女になってしまうなんて…
変わっていく自分が怖かった。
あんな場所で…
ざわざわと疼きだす躰を誰かに見透かされているような気がしてくる。
沙織は時間を確認すると、熱い缶コーヒーを買って外に出た。
ゆっくりと飲みながら両手を温める。ほっと空を見上げると、月が高い所から沙織を見下ろしていた。
見なかった事にして
私達二人を…
ふと気が付いて携帯を開く。
10時過ぎならまだ起きている時間だ
沙織は義母の明るい声を聞けば、すぐにいつもの自分に戻れるに違いないと思った。
実の娘のように信頼してくれている大好きな義母を裏切っておきながら…。
トイレに入り、鏡を見て髪を整え、倉本に吸われた唇を指でなぞる。
瞳が潤んでいるのは躰に残る余韻のせいだった。
ショーツを穿いていないせいで意識が下腹部に向いてしまい、歩く度に不安になる。
夫のある身でありながら、こんな危険を犯してしまった自分に驚き、また、男の腰に自ら脚を絡ませ、その指に夢中で腰を押し付けてしまった事が恥ずかしい。
こんなに女になってしまうなんて…
変わっていく自分が怖かった。
あんな場所で…
ざわざわと疼きだす躰を誰かに見透かされているような気がしてくる。
沙織は時間を確認すると、熱い缶コーヒーを買って外に出た。
ゆっくりと飲みながら両手を温める。ほっと空を見上げると、月が高い所から沙織を見下ろしていた。
見なかった事にして
私達二人を…
ふと気が付いて携帯を開く。
10時過ぎならまだ起きている時間だ
沙織は義母の明るい声を聞けば、すぐにいつもの自分に戻れるに違いないと思った。
実の娘のように信頼してくれている大好きな義母を裏切っておきながら…。