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秘密
第7章 剥がれた仮面
「百合子のお陰で片付けがすっかり遅くなったわ…」


パジャマにエプロン姿の咲子が夕飯後の食器を洗っている。


「あとは私がやりますから、お義母さん、もう休んで下さい」


いつもなら食後すぐに洗い終えている筈が今になっているのは、義母は相当疲れているのかもしれないと気になる。


「大丈夫大丈夫、もう終わるわ」


買って来た牛乳を冷蔵庫に入れながら、沙織は焦っていた。

スカートのポケットに隠してあるショーツを、早く脱衣かごに押し込んで隠したい。

コートを脱いでから、不自然な腰の膨らみが気になってしょうがなかった。


バッグにしまっておけばよかった…


「あの、ちょっと手を洗ってきます」


洗面所のドアを開け、夫が浴びるシャワーの音を確かめてボケットに手を入れた。


キュッ…


不意にシャワー音が止んだ。


「…っ…」


慌てて脱衣かごに下着を隠した時、カタンと音が鳴った。


「沙織?」

「あ…、ただいま」

「おかえり…、以外と早かったね」

「そう?」


洗面台で手を洗い、沙織はようやく気持ちが落ち着いてきた。




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