この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘密
第7章 剥がれた仮面
ドアを半開きにした夫がすぐ横の棚に腕を伸ばしている。


「純子さんとゆっくり話せた?」

「え?…えぇ…」


その手がきちんと重ねられたバスタオルを1枚手に取った時、右わきの少し下に見えた小さな赤い印を沙織は見逃さなかった。


「…っ…」


腕はすぐに引っ込み、躰を拭く姿がガラス越しに見える。


「………」



旅先のホテルでの電話、沙織の捨て身の誘いへの拒否、いつも不発に終わる儀式、胸に見つけたキスマーク、遅い帰宅、出張…


いくつもの不信を頭の中でぐるぐると回転させながら、沙織は黙って洗面所のドアを閉じた。


昨日は店で体調を崩して休憩に戻った母親にも気付かず、午後から呼び出されて仕事に出たという夫は、いったいどこへ行っていたのだろうか

真新しいキスマークを付けられた夫の躰には、いくつの証拠が残っているのだろう

急いで帰宅する必要なんてなかった…

バカみたい


「沙織さん」


はっとして振り返る。


「躰が冷えたままでしょう?お茶を入れるわ」



お義母さん…



湯飲み3つと急須をお盆に乗せてリビングに運ぶ咲子の背中に、その肩口に、額を預けてじっと黙り込みたい…




/216ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ