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桜宴香~おうえんか~
第1章 桜宴香
いくらなんでもやりすぎだろ、俺。
彼女の白い胸には無数の紅い痕。きっと下着に隠れている部分にはもっと酷い痕もあるだろう。
身体を回転させて背中を確認すると数カ所赤く擦れたようになっているところが確認できる。
あの時、俺のジャケットしか敷かなかったからだ。
「ごめんね。痛かったよな」
そっと唇を寄せると
「ひぁっ!」
ピクリと彼女の身体が跳ねた。
「湊さん、ダメです……我慢できなくなっちゃう」
振り向いて恨みがましく見上げる表情が可愛くてもっと苛めたくなるけれど、今は勤務中。
俺もこれ以上彼女の香りに包まれたら我慢できなくなるだろう。
「そうだな。続きはまた今度」
「今度っていつですか?」
ボタンを留めながらそんなことを聞いてくる。
「さあ?仕事忙しいしな。いつがいい?」
「早いほうがいいです。今日でも明日でも」
日時の約束の確約はできないけど、彼女と過ごす近い未来を考えるとものすごく頑張ろうと思える。
「じゃあ、はいこれ」
ポケットから自宅の鍵を取り出すと彼女に渡す。
「え??」
「今晩、待っててくれないかな。早く帰れるように頑張るから」
「え?え??あの、セフレってことですか?」