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大地の恋
第2章 若葉の頃
「…胸のデカい子がいいです」
「あー…じゃあダメだ。胸で言えば総務の…」
それからは先輩のお勧めの子の話を聞き流しつつ飲んでいた。
俺の頭の中は消さなくてはならない真優のことでまた埋まっていく。
真優はこの間まで実家にいたらしい。
俺は帰りも遅いし休みの日も出歩いたりしないから彼女に会うことはなかったけど、もしまた会ってしまっていたら気持ちが止まらなくなりそうで怖かった。
そしてあの日悠月を迎えに来たのが副担じゃなくて真優だったらなんて…つまらないことを考えてみては酒を煽る。
就職してから付き合いの酒が増え鍛えられたのか昔みたいな酔い方はしなくなったけど……
ひんやりとした感覚に瞼が開く。
「気がつきました?」
「ん…悪りぃ」
酔って寝ていたことに気づいて起き上がるとふらついた。
「まだ起きるのは無理みたいですね」
橋本さんが懸命にそんな俺を抱き止める。
重いだろうに……
「みっともねーな…ごめん」
「みっともなくないですよ、むしろ嬉しいなって」
「は?」
「板橋さんていつも気を張ってるしどこかで人と一線引いてる気がしたから…酔っぱらって寝ちゃう板橋さん可愛くていいと思いますよ」
クスクス笑いながら橋本さんが言った。
「29の男に可愛いとか気持ち悪りぃだろ」
「板橋さんならそんなことないですよ!ちょっと緊張が解けてきたのかなって…だから嬉しいんです」
「………」
調子狂う。
心の中でそう思っていた。
それにしてもこの子は俺のことが好きなんだろうかとふと思って……それは傲りだと慌てて打ち消す。
林の次には俺なんかの面倒まで見て……
今日この子は何をしに来たのだろう。
嫌がる素振りもなく……
「あー…じゃあダメだ。胸で言えば総務の…」
それからは先輩のお勧めの子の話を聞き流しつつ飲んでいた。
俺の頭の中は消さなくてはならない真優のことでまた埋まっていく。
真優はこの間まで実家にいたらしい。
俺は帰りも遅いし休みの日も出歩いたりしないから彼女に会うことはなかったけど、もしまた会ってしまっていたら気持ちが止まらなくなりそうで怖かった。
そしてあの日悠月を迎えに来たのが副担じゃなくて真優だったらなんて…つまらないことを考えてみては酒を煽る。
就職してから付き合いの酒が増え鍛えられたのか昔みたいな酔い方はしなくなったけど……
ひんやりとした感覚に瞼が開く。
「気がつきました?」
「ん…悪りぃ」
酔って寝ていたことに気づいて起き上がるとふらついた。
「まだ起きるのは無理みたいですね」
橋本さんが懸命にそんな俺を抱き止める。
重いだろうに……
「みっともねーな…ごめん」
「みっともなくないですよ、むしろ嬉しいなって」
「は?」
「板橋さんていつも気を張ってるしどこかで人と一線引いてる気がしたから…酔っぱらって寝ちゃう板橋さん可愛くていいと思いますよ」
クスクス笑いながら橋本さんが言った。
「29の男に可愛いとか気持ち悪りぃだろ」
「板橋さんならそんなことないですよ!ちょっと緊張が解けてきたのかなって…だから嬉しいんです」
「………」
調子狂う。
心の中でそう思っていた。
それにしてもこの子は俺のことが好きなんだろうかとふと思って……それは傲りだと慌てて打ち消す。
林の次には俺なんかの面倒まで見て……
今日この子は何をしに来たのだろう。
嫌がる素振りもなく……