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大地の恋
第3章 プリズム
「私、板橋さんとお話ししてみたかったからすっごく楽しみなんですよ」
「ハハっ、口がうまいな」
「やだなー、本当ですよ~」
彼女と話す俺を千花ちゃんは口を開けポカンと見ている。
「本当は二人でお話したかったんですけど」
最後に彼女は耳元で俺に囁いた。
その瞬間胸が背中に触れる。
「………」
おお…これは確かに。
「じゃ、また夜に」
ニッコリ笑って立ち去る彼女を見ながら先輩が勧めるわけも分かると思っていた。
「……鼻の下伸びてますよ」
「えっ!?」
「さっきの人…寺島さんですよね。美人で有名な…」
「へえ…」
「へえ…って…。今日寺島さんと約束があるんじゃないんですか?」
「あー…約束っつーか田島さんが飲み会するみたいでそこに呼ばれただけ」
「ふーん…」
千花ちゃんは素っ気なく相槌を打ちまた食べ始める。
「いい出会いがあるといいですね」
「……興味ねーけど」
「その割りに寺島さんの後ろ姿よーく見てましたよ?」
「それは煩悩だ、許せ」
それから千花ちゃんとはいつも通りに会話し食事を終える。
「ごちそうさまでした。今度は私が奢りますね」
「気にしなくていいから」
「でもいつもご馳走になってばかりだし」
「若い子に奢らせるわけにはいかねーよ。それに俺が勝手に誘ってるんだし」
この昼休みの一時は気がつけば貴重な癒しの一つになっていた。
「……じゃあお弁当作ってきます」
「えっ?」
「板橋さんの分も今度作ってきますね。それならいいでしょ?」
無邪気な千花ちゃんに思わず頬を掻く。
「……まぁ、別に」
「明日早速作ってきますね」
「じゃあ楽しみにしてる」
「はい!」
少しはにかんで笑う千花ちゃんの笑顔は可愛いと素直に思う。
でもそれはどちらかと言えば恋愛のそれというよりはむしろ……
やっぱり「妹」なんだと思う。
「ハハっ、口がうまいな」
「やだなー、本当ですよ~」
彼女と話す俺を千花ちゃんは口を開けポカンと見ている。
「本当は二人でお話したかったんですけど」
最後に彼女は耳元で俺に囁いた。
その瞬間胸が背中に触れる。
「………」
おお…これは確かに。
「じゃ、また夜に」
ニッコリ笑って立ち去る彼女を見ながら先輩が勧めるわけも分かると思っていた。
「……鼻の下伸びてますよ」
「えっ!?」
「さっきの人…寺島さんですよね。美人で有名な…」
「へえ…」
「へえ…って…。今日寺島さんと約束があるんじゃないんですか?」
「あー…約束っつーか田島さんが飲み会するみたいでそこに呼ばれただけ」
「ふーん…」
千花ちゃんは素っ気なく相槌を打ちまた食べ始める。
「いい出会いがあるといいですね」
「……興味ねーけど」
「その割りに寺島さんの後ろ姿よーく見てましたよ?」
「それは煩悩だ、許せ」
それから千花ちゃんとはいつも通りに会話し食事を終える。
「ごちそうさまでした。今度は私が奢りますね」
「気にしなくていいから」
「でもいつもご馳走になってばかりだし」
「若い子に奢らせるわけにはいかねーよ。それに俺が勝手に誘ってるんだし」
この昼休みの一時は気がつけば貴重な癒しの一つになっていた。
「……じゃあお弁当作ってきます」
「えっ?」
「板橋さんの分も今度作ってきますね。それならいいでしょ?」
無邪気な千花ちゃんに思わず頬を掻く。
「……まぁ、別に」
「明日早速作ってきますね」
「じゃあ楽しみにしてる」
「はい!」
少しはにかんで笑う千花ちゃんの笑顔は可愛いと素直に思う。
でもそれはどちらかと言えば恋愛のそれというよりはむしろ……
やっぱり「妹」なんだと思う。