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大地の恋
第3章 プリズム
「……板橋さん?」
「……!、ああ…ごめん」
黙り込んだ俺を千花ちゃんは不思議そうな顔で覗く。
そのまま真優の家を通り過ぎようとしたとき、門が開いた。
「……あ、」
「………どうも」
ここでもまた副担任と悠月。
もしかしてこの二人がいるということはこの後真優が……
無意識に身構えると副担任は微妙な笑顔で俺に言った。
「今日は二人で悠月の忘れ物取りに来たんだよ」
「そうなんですか…」
ほっとしたような残念なような。
悠月は俺の事なんかもう覚えてないのだろう。
あの日、おばさんの足に貼り付いていたような顔で俺を見ている。
「……もう忘れちゃったか」
腰を落とし悠月の頭をポンポン撫でると嫌な顔はされないものの反応は薄くて…
少しだけそれを寂しいと思った。
「悪いね、こいつ誰に似たのか愛想がなくて」
「先生…じゃないんですかね?」
少しくらいの嫌味は言っても許されるだろう。
すると副担任は片眉と口角を上げる。
「下の娘は真優に似て愛想がいいよ」
「……そうなんですか」
そして撃沈。
この攻撃はど真ん中を突きすぎてて副担任は本当に嫌な奴だと改めて思った。
「彼女?」
副担任が隣の千花ちゃんを見て俺に訊ねた。
「いや…」
「そ、そうです!」
ダメージから口が重い俺に代わり千花ちゃんはなんだかとんでもないことを口走る。
そして俺を庇うよう前に出て副担任に捲し立てた。
「うちの板橋さんがお世話になっています!えっと…すみません、ちょっと急ぎますので失礼します!」
ペコリと頭を下げ俺の手を取り千花ちゃんはずんずん歩く。
副担任はもとより俺まで呆気に取られ……
「……!、ああ…ごめん」
黙り込んだ俺を千花ちゃんは不思議そうな顔で覗く。
そのまま真優の家を通り過ぎようとしたとき、門が開いた。
「……あ、」
「………どうも」
ここでもまた副担任と悠月。
もしかしてこの二人がいるということはこの後真優が……
無意識に身構えると副担任は微妙な笑顔で俺に言った。
「今日は二人で悠月の忘れ物取りに来たんだよ」
「そうなんですか…」
ほっとしたような残念なような。
悠月は俺の事なんかもう覚えてないのだろう。
あの日、おばさんの足に貼り付いていたような顔で俺を見ている。
「……もう忘れちゃったか」
腰を落とし悠月の頭をポンポン撫でると嫌な顔はされないものの反応は薄くて…
少しだけそれを寂しいと思った。
「悪いね、こいつ誰に似たのか愛想がなくて」
「先生…じゃないんですかね?」
少しくらいの嫌味は言っても許されるだろう。
すると副担任は片眉と口角を上げる。
「下の娘は真優に似て愛想がいいよ」
「……そうなんですか」
そして撃沈。
この攻撃はど真ん中を突きすぎてて副担任は本当に嫌な奴だと改めて思った。
「彼女?」
副担任が隣の千花ちゃんを見て俺に訊ねた。
「いや…」
「そ、そうです!」
ダメージから口が重い俺に代わり千花ちゃんはなんだかとんでもないことを口走る。
そして俺を庇うよう前に出て副担任に捲し立てた。
「うちの板橋さんがお世話になっています!えっと…すみません、ちょっと急ぎますので失礼します!」
ペコリと頭を下げ俺の手を取り千花ちゃんはずんずん歩く。
副担任はもとより俺まで呆気に取られ……