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大地の恋
第3章 プリズム
「……俺、幸せになっていいのかな」
「当たり前じゃないですか!」
「でも真優……元カノの事ひどい裏切り方して…」
「………」
「泣き虫な子だったんだよ子供の頃から。でもアイツ俺の浮気現場見たとき泣かなかったんだよ」
「……」
「すぐ泣く奴を泣かせてやれないくらい酷いことしたんだぜ?真優だけじゃねーよ、女の子玩具みたいに取っ替え引っ替えしてさ…そんな俺が幸せになっていいんかよ……」
声が震えていることに俺は気づいていなかった。
千花ちゃんはじっと俺の話を聞いていて、そして口を開く。
「……いいんですよ、板橋さんは幸せになって」
初めて許された気がした。
俺の枷を千花ちゃんが取り外してくれた。
さざ波が俺の心まで清めてくれるように、苦しかった気持ちが海へと還っていく。
「ありがとう……千花ちゃん」
千花ちゃんは笑いながら首を振る。
この時、確かに俺の時計は動き始めた。
俺が俺に戻っていく。
ずっと止まっていた時が流れ出し……
大切なものに気づくまで、そう時間はかからなかった。
「当たり前じゃないですか!」
「でも真優……元カノの事ひどい裏切り方して…」
「………」
「泣き虫な子だったんだよ子供の頃から。でもアイツ俺の浮気現場見たとき泣かなかったんだよ」
「……」
「すぐ泣く奴を泣かせてやれないくらい酷いことしたんだぜ?真優だけじゃねーよ、女の子玩具みたいに取っ替え引っ替えしてさ…そんな俺が幸せになっていいんかよ……」
声が震えていることに俺は気づいていなかった。
千花ちゃんはじっと俺の話を聞いていて、そして口を開く。
「……いいんですよ、板橋さんは幸せになって」
初めて許された気がした。
俺の枷を千花ちゃんが取り外してくれた。
さざ波が俺の心まで清めてくれるように、苦しかった気持ちが海へと還っていく。
「ありがとう……千花ちゃん」
千花ちゃんは笑いながら首を振る。
この時、確かに俺の時計は動き始めた。
俺が俺に戻っていく。
ずっと止まっていた時が流れ出し……
大切なものに気づくまで、そう時間はかからなかった。