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大地の恋
第4章 再会
そこからふと視線を上げると公園の入り口にずっと佇む後ろ姿を見つける。
不審に思ってよく見るとそれは副担任で……



「………」



何やってんだアイツ…急用はどうしたんだよ…



副担任はこっちを見るでもなくただ入り口の向こうに立っている。


「………」





バーカ、…結局心配で様子見に来てんじゃねーかよ。
どうせ俺と会わせてみたのはいいけれど、結局居ても立ってもいられずに来てしまったというとこだろう。



「どうしたの?」


不思議そうに真優が俺を見る。


「…面白いモン見つけたなと思って」


「面白いモノ?」


「ホラ」


入り口の副担任を指差すと、真優は「あっ!」と小さく叫ぶ。


「あんなとこで何してるんだろう…」


「何もしてねーだろ」


強いて言えば悶々としてるくらいか。



「…行ってやれば?」


「うん」


真優が立ち上がりベビーカーに赤ん坊を乗せ、悠月を呼んだ。


「…じゃあね、大地」


最後に真優は俺に微笑んだ。
その笑顔に何も思わなかったと言えばそれは嘘で。






「真優!」


呼んでも来ない悠月のところに歩き出した真優を咄嗟に呼び止める。




「今更謝ってどうこうなるもんじゃねーけど…あの時はごめんな」


「……うん」


「でも俺は……真優の事本当に好きだったよ」


記憶が蘇る。
でも蘇った記憶は記憶でしかなく、今の俺を溺れさせるものではなかった。



懐かしく大切な宝物…
思い出せば眩しいけど蓋をしてしまっておける、そんな位置にいつの間にか真優はきていた。



「……大地」


「最後まで悪かったな」


真優は静かに首を振り、そして口を開いた。


「あのね大地、うちの旦那の誕生日クリスマスイヴなんだ」


「………」


「…どうしても思い出しちゃうんだよね、毎年」



真優……


「今初めてアイツに勝てた気がしたな」


「私、初めて付き合ったのは大地で良かったって思ってる」


「……ありがとう」



今度こそ悠月を連れアイツの元へ向かう真優を見送りながら長年の想いが昇華されていくのが分かった。



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