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大地の恋
第4章 再会
真優を見送った後、見上げた空は高く蒼い秋の空だった。
それはあの日千花ちゃんと見た海との境界が曖昧な夏の空とは違うもので、あれから確実に時は経っていることを実感する。
その事に気づいたら無性に千花ちゃんに会いたくなった。
ジーンズのポケットからスマホを取り出しアドレスを開く。
二度躊躇って、三度目の正直で掛けた電話は何コールしても繋がらない。
しつこいくらいに着信を鳴らし、もうダメかと切りかけた時……
「もしもし」
やっと千花ちゃんが出た。
「もしもし…俺」
「………」
「あのさ、千花ちゃん…これから会えないかな」
勝手なことは分かってる。
でも、やっと気付いたから……
「……何でですか?用事なら週明けに会社で…」
相変わらず千花ちゃんは俺を寄せ付けようとはしてくれなくて。
「会いたいから」
「………」
「今すぐ千花ちゃんに会いたいから……」
その事を素直に告げると千花ちゃんは言った。
「…今どこですか?」
「家の近所の公園」
「離れないでくださいね、そこ」
「俺が行くよ」
「いいです、私が行きますから」
千花ちゃんは相変わらず変なところで頼もしくて、そんなところに愛しさを感じる。
「……じゃあ待ってるから気を付けて来て」
元気良く返事した千花ちゃんが見えたのは、それからしばらくしてからのことだった。
「板橋さん!」
「千花ちゃん……」
息を切らせた千花ちゃんは走ってきてくれたようだ。
久々に向き合ってくれた千花ちゃんを前になんとも言えない気持ちになった。
「…座れば?」
千花ちゃんは頷き、さっきまで真優が座っていた場所に腰を下ろす。
その距離は真優よりも近かった。
「さっきまで元カノが居たんだ」
「えっ…」
「俺さ、元カノに会ったら気持ち止めらんなくなるってずっと思ってた」
長い間、真優は俺の心を占めていたから。
「……でも実際会ったら何てことなくてさ、その事に驚いた」
「………」
千花ちゃんは黙って俺の話を聞いてくれている。
「元カノと話したらすげー千花ちゃんに会いた
くなった」
「どうしてですか?」
「どうしてかな……」
それはあの日千花ちゃんと見た海との境界が曖昧な夏の空とは違うもので、あれから確実に時は経っていることを実感する。
その事に気づいたら無性に千花ちゃんに会いたくなった。
ジーンズのポケットからスマホを取り出しアドレスを開く。
二度躊躇って、三度目の正直で掛けた電話は何コールしても繋がらない。
しつこいくらいに着信を鳴らし、もうダメかと切りかけた時……
「もしもし」
やっと千花ちゃんが出た。
「もしもし…俺」
「………」
「あのさ、千花ちゃん…これから会えないかな」
勝手なことは分かってる。
でも、やっと気付いたから……
「……何でですか?用事なら週明けに会社で…」
相変わらず千花ちゃんは俺を寄せ付けようとはしてくれなくて。
「会いたいから」
「………」
「今すぐ千花ちゃんに会いたいから……」
その事を素直に告げると千花ちゃんは言った。
「…今どこですか?」
「家の近所の公園」
「離れないでくださいね、そこ」
「俺が行くよ」
「いいです、私が行きますから」
千花ちゃんは相変わらず変なところで頼もしくて、そんなところに愛しさを感じる。
「……じゃあ待ってるから気を付けて来て」
元気良く返事した千花ちゃんが見えたのは、それからしばらくしてからのことだった。
「板橋さん!」
「千花ちゃん……」
息を切らせた千花ちゃんは走ってきてくれたようだ。
久々に向き合ってくれた千花ちゃんを前になんとも言えない気持ちになった。
「…座れば?」
千花ちゃんは頷き、さっきまで真優が座っていた場所に腰を下ろす。
その距離は真優よりも近かった。
「さっきまで元カノが居たんだ」
「えっ…」
「俺さ、元カノに会ったら気持ち止めらんなくなるってずっと思ってた」
長い間、真優は俺の心を占めていたから。
「……でも実際会ったら何てことなくてさ、その事に驚いた」
「………」
千花ちゃんは黙って俺の話を聞いてくれている。
「元カノと話したらすげー千花ちゃんに会いた
くなった」
「どうしてですか?」
「どうしてかな……」