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大地の恋
第4章 再会
「射的…懐かしいな」


子供の頃、祭りといえば真優と射的を必ずした。
真優が取れないと必ず俺に泣きついて、代わりに取ってやったりしたっけ。



「千花ちゃん、射的やんねえ?」


「えっ?私やったことないから分かんないです」


「平気平気、教えるから」


千花ちゃんの背中を押して屋台の前まで行って二人分の金を払う。



「弾はよく詰めて」


「はい」


「しっかり構える」


「はい」



千花ちゃんは見よう見まね。
俺をチラチラ見ながらそれらしく構えていた。



「どれがいい?真ん中の菓子か?」


「いえ」


「じゃあ一番上のでっかいチョコか?」


「いえ…」


「じゃああのグミの…」


「ちょっと待って!どうして食べ物ばかりなんですかね!?」


せっかくの構えから直り千花ちゃんが俺を見た。


「私食いしん坊キャラじゃないですから!」


「あー…食える方がいいのかと思った」


真優がいつもそんなモンばっか欲しがってたから女の子は菓子がいいのかと思ってた。



「…千花ちゃんは何がいいの?」


「ウサギ」


「………」


「あのウサギがいいです」


「千花ちゃん…女の子なんだな」


確かあのうさぎは千花ちゃんの持ち物でも見たことがあった。


「ウサウサちゃんが好きなんです」



そう言って千花ちゃんは俺のアドバイスに添って縫いぐるみを狙い打つが弾はかすりもしなかった。


「ハハっ、ヘタクソ」


「難しいですよこれ」


千花ちゃんがむくれている。
好きだというなら余計取ってやりたい。
久しぶりに真剣に鉄砲を構えた。


「ぬいぐるみなんて取ったことねーな…」


一発二発、弾は当たるも倒れるには至らない。



三発四発…いい線までいってると思う。


最後の一発。かなり真剣に狙い引き金を引いた。


小気味良い発砲音と共に弾が飛び、ウサギの額に当たる。
そしてコロリとウサギは倒れ俺は……俺は内心かなりほっとした。


「すごい…取れた」


おじさんから受け取ったウサギを千花ちゃんの手に乗せると千花ちゃんはポツリ呟く。


「すごい!すごいすごい!かっこいい板橋さん!!」




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