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第4章 再会

静かで長い時が過ぎる。
俺たちはただ互いのぬくもりを感じ合っていた。


心地良い静寂を先に破ったのは俺だった。



「千花ちゃん…俺重い男だからさ…」


「うん」


「こうなった途端千花ちゃんとの先の事まで考えちゃうんだよな…」


「………」



後悔はもうしたくない。



大切な人を傷つけたくない。



幸せをもう手放したくはない。



「千花ちゃんにはずっと側に居て欲しいんだ…極端な話、爺さん婆さんになってもこうしていたい」


「それって…」


千花ちゃんが言葉を無くした。



でも、ささやかで大きな俺の夢は千花ちゃんなくしては叶えられないのだから。



「俺、自分で兄弟多くて良かったなって思うんだ」


「……分かります」


「全員集まるとホントうるせーんだけどさ」


「でも静かだとそれはそれで寂しいんですよね」


「…やっぱ千花ちゃんだと話が早いな。子供は沢山作ろうな」


唐突な俺の申し出に千花ちゃんが驚く。


「話が飛躍してますね…第一私一言も…」


「嫌だとか言うつもりかよ」


不安から胸に千花ちゃんを押し付けると千花ちゃんが苦しがる。



「……もう。板橋さんみたいな子だったらきっと世話が焼けますね」



その言葉に安堵して、やっと千花ちゃんを解放した。


「大丈夫。沢山作れば一人くらい千花ちゃんみたいな子もできるだろ」



未来永劫幸せにすると君に誓う。



だからずっと俺の側に……








俺の提案に千花ちゃんは「なにそれ」と笑った。



千花ちゃんに釣られて俺も笑い、二人だけの夜が更けていく。


これから何度も訪れる夜。
記念すべき初めての今日は……



幸せで暖かくて…ほんの少しくすぐったく…







未来を感じさせるものだった……