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斉藤太一です
第16章 ぶつける感情・吐き出す感情
部屋に入り
息を整え
かすみを待たせて
汗をかいた僕は
着替えを済ませた
かすみは
いつもの場所に
おとなしく
座っていて・・・
少し
表情がかたい
「コーヒー・・飲む?」
他に言葉が
見つからなかった
「・・ううん・・
話したいこと・・
あるから・・」
一分一秒たりとも
僕と居るのが
苦痛なのだろうか
さっさと
話しをつけて
消え去りたい
僕には
そう聞こえて
ならなかった
仕方なく
僕も
いつもの場所に座り
会うのは
最後になるかもしれない
愛おしい
かすみを見つめた
「斉藤さん・・・」
「・・うん・・」
「あのね・・」
「・・うん」
「しずくには・・・」
「・・うん・・」
「もう
会わない方が
いいと思うの・・・」
終わった
僕は
目を閉じて
心の中で
そう
呟いた