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斉藤太一です
第17章 遅くなってごめんね、しずく
「あら?
しずくちゃん・・・」
僕を
はじめて見る
先生が
しずくに声をかけた
「先生!あのね!
パパなの!」
と、ランドセルを
揺らしながら
しずくは
その場で飛び跳ね
満面の笑みを見せた
こんなにも
歓迎されて
こんなにも
喜んでくれる
こんな経験は
今までにない
僕を
必要としてくれる
しずくが
愛おしくて
泣いてしまいそうだ
少し
潤んでしまった瞳を
誤魔化すように
目をパチパチさせながら
かすみに視線を合わせると
かすみも
目を潤ませて
僕に
微笑みかけた
まだ
はじまったばかり
僕に
しずくの父親が
つとまるだろうか
僕は
かすみを
守れるだろうか
こんな僕に
何ができるんだろうか
でも
誓うよ
今日の
この日を
忘れない
僕は
2人のために
生きるよ