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Deep Emotion
第2章 始まりの予感

その日は一晩中びくびくと怯えていたけれど、私の悩みは杞憂に終わった。
*
翌日。特にクビ宣告の連絡もなく、私はいつもと変わらず仕事をしていた。
「ありがとうございました」
清掃を終えて『企画課』のフロアを出ると、「お疲れ様」と言う声が聞こえた。
お疲れ様、なんて言われたのは初めてだ。
挨拶して返事がなくても気にしていなかったのに、そんなこと言われるとすごく嬉しい。
嬉しくて、声がした方へ顔を向けると、そこには門倉さんが立っていた。
後ろには、昨日と同じ綺麗な女性が立っている。
「門倉、社長…」
「今日も仕事なんだね」
門倉さんは笑顔で私に近づいてきた。
「え、あ、まあ週5で入っているので…」
なんか、距離近い。それに昨日はちゃんと見てなかったけど、この人かなり顔が整ってる。
「仕事、終わるのは何時くらい?」
「え…、あ、16時すぎくらいです」
「それなら、16時半に秘書課に行ってくれるかな。エレベーターで秘書課のある18階に上がったら、彼女が待っているから、ついて行って」
彼女、と呼ばれた綺麗な女性が上品に微笑み、頭を下げた。思わず私も頭を下げる。
「じゃあ、16時半に」
私はまだ返事をしていないのに、門倉さんはさっさと行ってしまった。
…これって、決定事項なの?
16時半まで、あと2時間。よくわからない展開に混乱しそうな頭を落ち着かせるため、私は仕事に集中することにした。
*
約束の16時半、私はエレベーターで18階に上がっていた。
チン、と高い音がして、扉が開く。
エレベーターホールには、既にあの綺麗な女性がいた。
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
女性の後を、私はひたすらついて行った。
*
翌日。特にクビ宣告の連絡もなく、私はいつもと変わらず仕事をしていた。
「ありがとうございました」
清掃を終えて『企画課』のフロアを出ると、「お疲れ様」と言う声が聞こえた。
お疲れ様、なんて言われたのは初めてだ。
挨拶して返事がなくても気にしていなかったのに、そんなこと言われるとすごく嬉しい。
嬉しくて、声がした方へ顔を向けると、そこには門倉さんが立っていた。
後ろには、昨日と同じ綺麗な女性が立っている。
「門倉、社長…」
「今日も仕事なんだね」
門倉さんは笑顔で私に近づいてきた。
「え、あ、まあ週5で入っているので…」
なんか、距離近い。それに昨日はちゃんと見てなかったけど、この人かなり顔が整ってる。
「仕事、終わるのは何時くらい?」
「え…、あ、16時すぎくらいです」
「それなら、16時半に秘書課に行ってくれるかな。エレベーターで秘書課のある18階に上がったら、彼女が待っているから、ついて行って」
彼女、と呼ばれた綺麗な女性が上品に微笑み、頭を下げた。思わず私も頭を下げる。
「じゃあ、16時半に」
私はまだ返事をしていないのに、門倉さんはさっさと行ってしまった。
…これって、決定事項なの?
16時半まで、あと2時間。よくわからない展開に混乱しそうな頭を落ち着かせるため、私は仕事に集中することにした。
*
約束の16時半、私はエレベーターで18階に上がっていた。
チン、と高い音がして、扉が開く。
エレベーターホールには、既にあの綺麗な女性がいた。
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
女性の後を、私はひたすらついて行った。

