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Deep Emotion
第12章 お祭りの夜
*
土曜日18時。
まだ空は明るい。私は納涼祭り会場の入り口で門倉さんと陽くんを待っていた。
浴衣は持っていないし、買うのもお金がかかるし、何より浮かれて見える気がして、結局シャツとジーンズにして、髪は緩くまとめた。
祭りに訪れる人を見てみると、やはり家族連れや友達同士、あるいは恋人同士が多い。
「…ん?」
会場に向かう人々の中に、浴衣姿の彩花さんがいた。
その隣には背が高く整った容姿をした男性がいて、彩花さんはその人に腕を絡めて歩いていた。
「アレ、彩花の彼氏だよ」
「!!」
突然背後から声をかけられたので、私は驚きで体が硬直してしまった。