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隠匿の令嬢
第5章 獣の邸と淫らな教育係
「解った。でも少し考えさせてくれ」
アリエッタの覚悟が伝わったのか、初めてレオが折れてくれる兆しが見えた。
完全に勝ち得たのではないが、レオの判決が下るまでただ待つというのも辛く、自分にやれることがないか探した。
探している最中、邸の使用人たちを知らずと観察していて解ってきたが、共通して言えるのは恐ろしく有能であるということだ。
ジョシュアは邸の隅々まで把握し、てきぱきと使用人に指示を出しているし、侍女は少ない人数ながらも埃ひとつ見当たらないほど掃除を行き届かせていた。
庭師は3人いたが、どの庭師も植物に関する見識が深く、アリエッタが訊ねる質問に滑らかに答えた。
そうこうしているうちに、邸の生活には馴れないまでも使用人の何人かとは緊張せず言葉を交わせるようなっていった。
一人目はアリエッタを何かと気にかけてくれるナキラだ。
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