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隠匿の令嬢
第5章 獣の邸と淫らな教育係
こんな夜更けにアリエッタにお茶を運ばせるとは何事だろうか? と首を傾げつつ、レオの部屋に持って行った。
レオは自室のソファーで書類に眼を通していた。遅い時間まで執務をし、身体を心配だと思うのと同時に、ランプの淡い明かりの下で見るレオは、太陽の下にいるときより一層艶かしく、匂い立つほどの色香を漂わせていた。
アリエッタは思わず佇んだまま、コクリと喉を鳴らす。
「そんなところに立ってないでこっちに来て、茶を淹れてくれ」
「はい……」
部屋を横切るとき視界の端に、開け放たれた奥の寝室が映り、おのずと鼓動が速まる。
やだ……なにを考えてるのかしら……。
このところ慇懃な態度に気を付けていてキスもされてないし、以前温室でされたような淫らな行為もされてない。
なのに、レオの色香と夜の帳が降りた淫靡な雰囲気にあてられてか、刻まれた感触がもたげだす。
速まる鼓動をひた隠しにし、蒸らした茶葉が香る茶を円を描くようカップに注いだ。
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