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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯
「では手伝ってもらえるか? 出先でも夜通し書類仕事していて眼が疲れてるんだ。読み上げてくれると助かる」
「読み上げればいいのね? それなら私にも出来そうだわ」
沈んでいたアリエッタの表情に輝きが射す。
「椅子を持ってくるわ」
くるりと舞うように部屋を出ていこうとするアリエッタをレオは制した。
「椅子は必要ない。ここに座れ」
レオは椅子を引いて自らの膝を掌で2回軽く叩いて指し示す。
「ここって……え?」
「ほら、早く。時間が惜しい」
レオはやんわりと、だが拒絶出来ない声色で言う。アリエッタは恥を偲び、レオの膝に腰を落とす。
途端、乳香が香る蜂蜜色の波打つ髪にレオは顔を埋めた。髪とレオの吐息が首筋に擦れ、むず痒さで肌が粟立つ。
「いい匂いだ。湯に浸かってきたんだってな?」
「え、ええ……。汗もかいていたし、油絵の具で汚れてたから」
レオは髪の匂いを嗅ぐよう鼻を鳴らしながら、アリエッタの腹を撫で始めた。
「そうじゃないだろ? 俺に逢うから……違うか?」
「ち、違うわ。そうじゃないの……」
否定するアリエッタの声は弱々しい。図星だった。教育係に任命されてからというもの、レオに呼ばれて触れられないことはなかったから。
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