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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯



 アリエッタの身体を蹂躙したあと、レオはいつも長い間抱き締め、労るように髪や額、頬に口づけ、髪を撫でる。


 力が入らないアリエッタはレオに身体を預けるしかない。


 温かく逞しい胸で宥められる時間は、どうしようもなく苦しくて切なくて、幸せだ。


 この時間があるからどれだけ恥ずかしいことを強いられても、自分の身体を実験として使われていても耐えられるのかもしれない。


 同時に込み上げる哀しみには眼を逸らしているというのにだ。




 アリエッタはこの哀しみがどこから来るものか知っているのだろうか。


 レオはアリエッタの哀しみを知っているのだろうか。



 二人はただ淫らな行為の余韻を残す穏やかな時を過ごす。


 いつか来るであろう、破滅の鐘の音が迫り来るのを知らずに。









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