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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯


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 ある朝、アッシュブラン邸に大量の封書が届けられていた。


 ジョシュアを始めとする使用人たちが総出で封書が入った箱を、邸へと次々運んでいた。


 アッシュブラン邸に落ち着きが戻った陽射しの気持ちいい昼下がり。アリエッタはナキラとキッシュと共に四阿〈アズマヤ〉で少し遅いランチを摂っていた。


 これもアッシュブラン邸ならではの光景だろう。主人が招いた客人と使用人が食事を共にすることは、一般的に考えておかしな光景だ。


 しかしここではよく見る光景。この日は忙しそうな使用人たちに代わり、アリエッタお手製の料理やお菓子が並んでいる。


 仕事ではなく趣味でやりたいの、と言えばレオは何も言わず、アリエッタの好きなようにさせてくれることも最近学んだ。


「美味しいです、アリエッタ様! このマカロンなんてふわっふわ」


「ちょっと、ナキラ。お菓子ばっか食べないでよ。あとで僕も食べるんだから」


「大丈夫よ。まだまだあるから。でもお菓子じゃお腹膨れないだろうから、こっちのミートパイも食べて」


「ふぁい。あとで食べまふ」


 ナキラは口いっぱいにマカロンを詰め、それをキッシュが眉を顰めて見遣り、アリエッタはクスクスと笑ってキッシュの分のマカロンを皿に取り分けた。





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