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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会



 所狭しと置かれる植物の緑の間を縫うように進んでいると、円形に開けた場所に白い丸テーブルと透かし彫りのベンチが置かれ。


 そのベンチに長い脚を投げ出した男が寝転んで眠っていた。


 さらさらと流れるような髪は月の光を紡いだような淡い金色。キリッとした精悍な眉の下には伏せられた瞼。


 通った鼻梁は羨ましいほど高く、結ばれた唇は薄く形がいい。


 自分の腕を枕代わりにし、眠っている男は恐ろしいほどの美丈夫だった。


 けれどアリエッタは息を呑むほど美しい容姿もさることながら、彼の放つ“色彩”に心奪われた。





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