この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第2章 温室での密会
所狭しと置かれる植物の緑の間を縫うように進んでいると、円形に開けた場所に白い丸テーブルと透かし彫りのベンチが置かれ。
そのベンチに長い脚を投げ出した男が寝転んで眠っていた。
さらさらと流れるような髪は月の光を紡いだような淡い金色。キリッとした精悍な眉の下には伏せられた瞼。
通った鼻梁は羨ましいほど高く、結ばれた唇は薄く形がいい。
自分の腕を枕代わりにし、眠っている男は恐ろしいほどの美丈夫だった。
けれどアリエッタは息を呑むほど美しい容姿もさることながら、彼の放つ“色彩”に心奪われた。
.