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隠匿の令嬢
第7章 危険な一夜
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男爵邸で夕食をもてなされ、和やかな雰囲気のうち、男たちはポーカーに興じだした。
アリエッタとニーナは積もる話もあると、ニーナの部屋に誘われた。
ナイトドレスに着替え、二人でニーナのベッドでクッションを抱えて壁に背を凭れる。
「お父様に捕まったら長くなるわ。きっと夜通しやるわよ」
「男爵様もご夫人も、相変わらずお元気そうでなによりだわ」
「まあね。……それにしても、ほんっとにアリエッタには驚かされたわ。レオナルド様のお邸でお世話になってるなんてねぇ。それにその姿……。危うく顎が外れそうだったんだから」
「ニーナったら大袈裟よ。でも私も驚いたわ。セドリック様がこちらにいらしてるなんて知らなかったから」
「あいつが勝手に押しかけてきたの! 迷惑ったらないわよ」
ニーナは口を尖らせてはいるが、本気で怒っているようには見えない。
「セドリック様はニーナのこと、とても気に入ってらっしゃるのね」
「なっ!? そんなんじゃないわ! からかってるだけよ……」
ニーナは耳まで染め、クッションを抱き締める。晩餐のときもセドリックはなにかとニーナにちょっかいをかけ、ニーナは声を荒らげながらもどこか愉しげに言い合いをしていた。
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