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隠匿の令嬢
第7章 危険な一夜
翌日の早朝。アリエッタはレオに連れられ湖畔を歩いていた。
湖は朝陽を浴び、空色の水と光を反射させる白とのコントラストが爽やかな朝を彩る。遠く反対側の水面には、湖を囲む森の木々が映りこみ、水中に森が広がっているようだ。
森では可愛らしい鳥の鳴き声が歌い、優しい風が木葉を撫で葉擦れの音が伴奏する。
「素敵なところね。連れて来てくれて本当にありがとう」
「いや。もっと早く気付いていれば、色んなところに連れてってやれたんだがな」
「この景色だけで十分よ。それにニーナとも逢えたもの。ニーナのことはセドリック様から聞いたの?」
「そんなところだ」
肩を竦めて言うレオの目元が少し赤い。
「あまり寝れてないの? 大丈夫?」
「朝方までポーカーに付き合わさせられたからな。ルードリアン男爵は負けたままでは終わりたくないと言って、俺とセドを帰さなかったんだ」
「じゃあ男爵は負けてらしたのね」
アリエッタはフフッと笑ってからレオを見上げた。
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