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第7章 危険な一夜

　一人の男と複数の半裸や裸の女が睦み合っている姿が描かれている。


　男は女の乳房を咥え、手は別の女の下肢に伸び、男の股間に顔を埋める女や女同士が口づけしていたりもした。


　その絵を手に持つニーナがブルブルと震え出す。


「こ……れ、春画……!?」


　アリエッタに至っては完全に言葉を失って、卑猥な絵に失神寸前だ。


「お…………お父様ぁぁぁぁっ!!」


　ニーナが絵を持ったまま部屋を飛び出す。あの様子では男爵はただじゃ済まないだろう。……が、アリエッタはニーナを制する余裕などない。


　春画は本来禁止されている。そうでなくともアリエッタやニーナのようなうら若き年頃の娘が見る機会などない。


　あまりの衝撃に立ち尽くすアリエッタ。




　散々怒鳴り散らしただろう、掠れた声のニーナが呼びに来るまで呆然としたままであった。







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