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隠匿の令嬢
第7章 危険な一夜
ニーナの注ぐお酒は強引さはあったが、レオとセドリックは愉しんで呑んでいるようであった。アリエッタは三人がボトルをいくつも空けている中で、やっとグラスの半分程を喉に通せていた。
その時には床が揺れていているようでもあり、背中に羽根が生えたようでもある心地で。
三人の談笑も左から右へと抜けていき、半分減った血の色のワインをぽぉっと眺め、にこにことしていた。
グラグラと揺れるアリエッタをレオは談笑しつつも気遣わしげに見ていた。
「アリエッタ? もうやめておけ。無理はするな」
「えー? 平気です。んん……でもちょっと熱いです」
掌を扇ぎ、風を送るアリエッタ。するとニーナが突然立ち上がった。
「よし! 脱いじゃえ! あたしも脱ぐぞー!」
「あーら、それいい! あたしも脱いじゃおうかしら?」
「セド、煽るな。……ったく、酔っ払い共め。俺はアリエッタを休ませてくるから、あとは頼むぞ」
レオは揺れるアリエッタの肩を抱いて立たせるも、アリエッタは「平気だ」と言い張る。
初めて口にした酒で相当酩酊しており、自分の言動を理解出来ていない。ただゆらゆらと揺れる心地が気持ちよく、縛りつけているものから一時だけ解放されていた。
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