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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会
「たい……し……、もう……」
『大変失礼しました、申し訳ありません』と言いたいのに、呂律が回らない。
本当に大変なことをしでかしてしまった。寝ている男性を断りもなく描くのもはしたない。
しかし後悔先に立たず。
ニーナが言っていたよう、学生間の問題は学生間で解決するのがここ王都国立学校での慣わしだ。
だがアリエッタの場合は少し違う。問題を起こせば即連れ戻される。彼が騒ぎ立てたら、アリエッタに与えられた期限付きの自由は奪われてしまう。
覚悟はとうに出来ているし、全てを受け入れるつもりであったが……。いざそれを目の前にすると哀しくて仕方がなくなる。
ここで過ごした夢のような三ヶ月が無ければ、こうまで哀しくなかったけれど。
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