この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第8章 忍び寄る影



****


 ルードリアン男爵邸で過ごす最後の夜。調子を取り戻したニーナがアリエッタの部屋を訪ねてきた。


「今日はごめんね。アリエッタと出掛ける約束してたのに行けなくて」


「いいえ、いいのよ。それより気分はもう悪くない?」


「ええ、もうすっかり良くなったわ。お酒はもうこりごり。馴れないことはするもんじゃないわね」


 アリエッタも「そうね」と頷く。ほんの少ししか呑んでいないはずのアリエッタでさえ記憶を失うくらいだ。酒とは今後無縁になりそうだと、二人して無言で頷き合った。




「あら? そのガーベラはどうしたの?」


 ニーナがテーブルの上に一輪だけガラスの花瓶に生けてあるガーベラを眼に留めた。


「それはボドロの街で花売りの子供からレオが買ったのをいただいたの」


 出来るだけ何でもないことのように話す。ガーベラを見るだけで胸が騒ぎ始めるが、騒がせる正体と向き合うのがなぜか恐ろしくて。


 眼に入らない場所に置こうともしたが、万が一レオが訪ねてきたらそれも失礼な気がして。


 結局は目立つテーブルの上に置くことにした。






.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ