この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隠匿の令嬢
第8章 忍び寄る影
しかしそれを思うとちくちくと胸が痛み出す。時には胸が張り裂けてしまいそうなくらい痛む。
その痛みがどこからやって来てアリエッタを苛んでいるのか──きっと彼女との約束を破り、レオに触れられているせいだと思っていた。
そして自身もレオに触れられることを望んでいるせいだとも。
甘やかな時間はアリエッタの罪も、与えられている罰を忘れさせ、心を上滑りしていく。しかし無くなるわけではない。
足元にずしりと溜まり、独りきりの時間が来ればざわざわと蠢いて肌を、内部を浸食していく。
罪で穢れた身をレオに触れさせている罪悪感もあった。
──それだけよ。他に理由なんてない。
胸の痛みを起こしているのは“罪悪感”から。
自問の末に辿り着く答えはそれしかなかった。
.