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隠匿の令嬢
第8章 忍び寄る影
カモミールティーを2人で呑んでいる最中、絵のアドバイスを幾つか受け、そして話は肖像画に及んだ。
現物はレオの邸にあるので、アリエッタが描いたデッサンをギルデロイに見せると驚かれた。
「キミが描いている対象がまさかレオナルド殿下とは。いやはや、思いもしなかった。モデルをされている方に絵をあげたいとは聞いてたが、まさかなぁ」
「あの……。個展に出されるまで、レオナルド様の絵を私が描いているのは黙ってていただけますか? 私のような者とレオナルド様が繋がっていると知れたら、レオナルド様にご迷惑がかかってしまうので。出来れば個展にも匿名で出していただきたいのです」
「ふむ……。それはレオナルド殿下のご意向かな?」
「いえ、違います」
レオは絵が欲しいとは言ってはいたが、他の条件は口調以外にはなかった。隠したいのはあくまでもアリエッタ自身の意向だ。
それにわざわざニーナの邸に一度寄ってから学校へ通っているくらいだ。レオも口には出さないだけで、アリエッタと繋がっているのだと知られたくないのだろう。
特に彼の意中の女性には──。
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