この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第8章 忍び寄る影



 アリエッタは中庭の芝生からどこをどうやって歩いたか記憶にないまま、礼拝堂の前に立っていた。


 寄宿舎に身を置いていた頃、毎日通い、アリエッタを優しく迎え入れてくれていた場所だ。


 休暇が明けてからも講義の合間に訪れ、祈りを捧げていた。


 身体に染み付くほど慣れ親しんだ場所であるはずなのに、今はとても恐ろしく物々しく佇んでいるように感じる。


 扉を開けば最後、もうどこへも行けなくなるような……。閉じ込められ、生きて帰れない気さえする。


 けれど逃げることも出来ない。アリエッタは罰を受ける義務があり、待ち受けているであろう人物には罰を与える権利があるから。




 冷たい指先は礼拝堂の扉の感触を伝えない。なのに重みだけは普段の何倍も増しているようで。


 建て付けが悪くなっているのか、ギィと不穏な軋む音を立てながら扉が開いた。


 


.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ