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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会
「色が……」
「色?」
「は……い。あなたの色が綺麗でしたので……」
レオは難しい顔をしたあと、口許を緩める。
「容姿を褒められたことはありますが、色とは……。髪ですか? それとも肌? 瞳は……見えてませんでしたよね?」
月の光を紡いだ色の髪や陶器のように滑らかな肌も綺麗だ。けれど外見の美しさではなく、彼の纏う色彩そのものの美しさに感動した。
それをどう表現していいものか。例えるならそう──
「魂の色……です」
「魂? あなたはそれが見えてるんですか?」
「見えてるわけでは……」
アリエッタ自身気が付いていないが、彼女の観察眼はとても鋭い。生い立ちに起因するところもある。なので魂と表現はしたが、要は本質だ。
「ますます興味深くなったな」
レオは呟くよう言ったので、アリエッタにはあまり聞き取れなかった。
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