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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会

「ところでここへは絵を描きに?」


「あ……。はい」


 レオを見付けていなければアリエッタはテラコッタの鉢植えの中や地面の土から緑を伸ばす草や花、観葉植物を夢中で描いていただろう。


「またここに来ますか?」


 アリエッタは躊躇いがちに頷く。赦されるのであれば立ち入りたい。


「そうですか。ただ普段は鍵が閉められてます。この温室は一般公開されてないものですから」


「も、申し訳……」


「咎めてるんじゃありません。今日はたまたま私がいたので運良く入れましたが。次もそうとは限りませんから、アリエッタが困るのではと思っただけです」


 レオは上着のポケットに手を差し入れて何かを探ると、拳をつくった手を出し、ゆっくりと指を開く。


 するとそこには鈍色に光る彫り物を施した鍵があった。







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