この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第9章 息を殺して生きる理由



 アリエッタを冷ややかに見詰めるリリスがふいに表情を綻ばせる。


「まあ、いいですわ」


 今度はアリエッタの周りをコツコツと靴を鳴らし、リリスは回り始める。


「お姉さまったら、本当にお綺麗になられましたね。なんだか艶が増されたようですわ」


 低かった声が鈴が転がるように高くなり、年相応のそれだ。ころころと変わるリリスの声色は、彼女の気紛れがなすもので。


 だからこそリリスが次に何を言うか予想出来ず、アリエッタは常に身構えてなければならない。



「もしかしてお姉さま……恋でもなさったの?」


 背後から腰を折って覗き込むように顔を出した。


「え……?」


 アリエッタは眼を見張る。


 一瞬、恐怖が吹き飛ぶ。




(“恋”? 私が恋……?)


 自分には起こり得ぬ響きに心がさざなみ立つ。


 ざわり、ざわりとしたさざなみは波紋を広げ、アリエッタの心に収まりきらず、身体の隅々にまでその手を伸ばした。






.


/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ