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隠匿の令嬢
第9章 息を殺して生きる理由



 アリエッタは頭〈コウベ〉を垂れ、胸元を握って痛みに耐えていると、リリスが高笑いをした。


「アハハハ! 素敵! 素敵よ、お姉さま! 私、こんなに楽しいの、いつぶりかしら。お姉さまのそういうお顔、堪らなく好きなの」


 悲痛に歪むアリエッタの顔を手袋をしたリリスの掌が挟む。狂喜に満ち満ちたリリスはベール越しであっても笑みが見て取れた。


「でも、もっと……もっとよ、お姉さま! 私と同じ苦しみをお姉さまにも味わって欲しいの」


 “同じ”と言われ、ゾッとする。アリエッタから見えるリリスの“色彩”は常に黒で、アリエッタを飲み込もうとしているからだ。


 世界のすべてを飲み込もうとする黒は、アリエッタを蝕み、食い殺そうとしているようで。


 神聖なる礼拝堂にこれほど似つかわしくない色味はないであろう。



「そう、ね……。こういうのはどうかしら?」


 リリスの口許が弧を描く。


 アリエッタは笑う妹にブルッと震えた。大抵、こういう顔をしたリリスはとてつもなく恐ろしいことを言い出すからだ。


 経験に反せず、リリスの口から信じられない言葉が発せられた。










「その方に抱かれてしまいなさい」



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