この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第10章 真夜中の逃亡と──


 手首を掴まれ、引いても引いても離れない。


 必死で振り払おうとするアリエッタをレオは奥歯を軋ませ、そして無理矢理肩に担ぎ上げてしまった。


「やぁ……っ! 下ろしてください!」


 レオの肩で暴れるアリエッタ。


「黙ってろ」


 より強くアリエッタの身体を腕で締め付け、レオは闊歩する。


 アリエッタの視界は反転し、レオの背中しか見えないが、怒っているのは声色から明らかだ。


 常に悠然としているレオを日に何度も怒らせ、リリスの願いも叶えられそうにない。





 もうどうしていいのか──哀しいのか悔しいのか、情けないのか辛いのか。様々な感情が混沌として。


 暴れるのは止めたものの胸の内は荒れ狂う。


 いっそ狂ってしまえたら楽になるのに。


 レオの肩の上で歩みのリズムに合わせて揺られるアリエッタは、血が滲むのではないかというくらい唇を噛み締めていた。







.



 
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ