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隠匿の令嬢
第10章 真夜中の逃亡と──
擦れ違い様にアリエッタの腰をレオが拐う。
驚く間もなくアリエッタの唇をレオが塞いでいた。
「……ッ!?」
レオだけは駄目と言ったばかりなのに、なぜ口づけられているのだろう。
涙で濡れる漆黒の双眸を見開き、アリエッタはもがいて抵抗した。
「やぁ……っ」
唇の隙間から洩れる声も抵抗を見せる。しかしそれさえ奪ってしまおうと、唇を密着させてくる。
レオの肩を叩いても、びくともしない。
「んっ……ンンッ!!」
苦しくなって唇を開いた隙をレオは逃さず、舌を滑り込ませてきた。
リリスの支配下にあったアリエッタとは違い、溢れる感情がアリエッタの感覚を呼び戻している。
唇を吸い上げられ、舌を絡められ、頬や歯の表も裏も丹念に舐められ、敏感な口蓋を舌先でなぞられると力が抜ける。
「ん……ふぅ……」
後頭部をしっかりと持たれてしまっているアリエッタはレオからも快感からも逃れられず、翻弄されていた。
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