この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
隠匿の令嬢
第10章 真夜中の逃亡と──



 額や瞼、涙で濡れる頬や唇に、レオはリップ音を鳴らして口づけていく。


 駄目だ。止めなければ。レオに抱かれるのは、リリスへの裏切りだ。


 解っているのに心が打ち震え、新たな涙を生む。



 ──幸せになれ。


 そんなこと誰にも言われなかった。望まれなかった。


 自らの罪をも背負おうとしてくれているレオの優しさに、喉の奥が詰まるほど泣けてくる。


 哀しみからでない涙は初めてだった。



 レオの心は他人のものだ。解っている。


 これは赦されざる行為だ。それも解っている。



 それでも……赦されなくても、たとえ地獄に堕ちても、彼の腕から逃げるという考えは無くなっていた。


 一夜限り……一度きりでいい。


 レオの腕にいたい。


 心の奥底で望んでいたのはアリエッタだ。




 ──ごめんなさい……ごめんなさいリリス。


 あなたが望むなら、同じだけ傷付いても構わない。腕でも顔でも……全身焼かれてもいいから、今だけは忘れさせて……。


 アリエッタは罪の意識を打ち震える心に紛らせ、ただレオに身を委ねた。





.
/724ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ