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第10章 真夜中の逃亡と──

　レオの口づけは優しかった。


　唇を重ねるだけの可愛らしいキスでアリエッタの緊張を解きほぐし、上と下の唇を痛みを伴わない程度にそれぞれ食み、吸い上げ。


　深いものへとかわれば、舌先でアリエッタの舌を先端から奥へと優しくなぞり。


　歯列や頬肉、舌の裏までもぬるつく舌が舐めていく。


「ふ、んぅ……」


　アリエッタはこの寝台でつい先程も丹念に口づけされた。そのときは感覚が一切断絶されていて、愉悦は生じなかった。


　しかしこの瞬間にゾクゾクとしたざわめきがあるのは、閉じこめていた感情を開放したからであろう。




　鼻から抜ける甘やかな吐息を洩らすたび、アリエッタの豊満で弾力のある天に向いた乳房が揺れナイトドレスの布地に擦られる。


　触られてもないのに乳房の中心にある慎ましいふたつの突起が育ち始めていた。



　布越しにぷつんと膨れるそれをレオは目ざとく見付ける。


「ここ、触って欲しそうだな？」


「あ……」


　レオが下からアリエッタの乳房を掬い上げ、尖る布をアリエッタも見せられ、恥ずかしさに肌が赤らむ。






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