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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会
どうしてそこまでアリエッタに鍵を渡したいのか不思議に思いつつ、勝手に侵入した後ろめたさもあってその条件とお礼の話だけでも聞くことにした。
条件は至極簡単なものであった。
レオとこの温室で逢ったことと通うことを秘密にすること、ただそれだけだ。
もっと無理難題を言われるのではと身構えたアリエッタにとって、拍子抜けするほど。
そしてお礼は何かと尋ねる。アリエッタに差し出せるものがあるようには思えず、結局は断る羽目になるだろう。
レオは眼を細め、口角を上げた。
「先払いになるといけないので、まずこれを」
そう言ってアリエッタにやや強引に鍵を握らせた彼は、押し返す間もなく距離を詰め。
次の瞬間にはアリエッタの頭に手を添え、桃色の唇に自分のそれを重ねていた。
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