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隠匿の令嬢
第10章 真夜中の逃亡と──
「見ていろ、と言っただろ?」
決して強くはない物言い。だが拒否は出来ない雰囲気も醸していて。
アリエッタはおずおずと再びレオへと視線を戻した。
麗しい顔立ちの彼から生えているとは思えない、淫らな造形をしたそれは、血の気が引くほど凶暴で。
膨らむ先端はアリエッタの細い手首ほどもあるのではと思うほど太く、血管が浮く幹は両手に余るほどだろう。
──まさか、これが挿ってしまうの?
率直に無理だ、と思った。指2本でだってきつかったアリエッタの隧道〈ズイドウ〉。あんなもので貫かれたら、きっと裂けてしまう。
この期に及んで尻込みするわけではないが、恐怖から自然と顔が強張る。
「触れてみるか?」
「え? あの……私……」
戸惑うアリエッタをレオが引き起こし、その手を己の剛直へと導き、触れる。
「あ……」
腹につくほど天を指すそれは、想像以上に熱く、滑らかな手触りだ。
「今からキミの中に挿るものだ。知っておいたほうが多少恐怖が和らぐんじゃないか?」
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