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隠匿の令嬢
第2章 温室での密会
アリエッタはここで一年を過ごしたあと、神へと嫁ぐのが決まっている。それなのに見ず知らずの男性と触れあうなどもってのほか。
罪悪感の元はそれだけではない。“彼女”との約束があるからだ。
それから三日。アリエッタは意図とは関係なく手に入れてしまった鍵を使うことなく過ごした。
その間に罪悪感は薄れつつあった。赦されない行為をしてしまったが、アリエッタが望んだものではない。
貴族の男が戯れに女に触れるのはよくある。戯れだけでなくわざと身分の低い女を辱しめるため、もっと淫らな行為をもすると聞く。
きっと彼はアリエッタをからかったのだ。
見るからにみすぼらしい格好をした女に、鍵という施しをし、辱しめてからかった。
そうすることで愉悦にいっている──と一度は考えた。
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