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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅


 アリエッタはレオの肩に手を置いて、浅い呼吸を繰り返す。そのアリエッタの背中にレオの指が滑り落ちる。擽ったさに身じろぎすると奥が擦れ、小さく喘いだ。


「挿れるだけで終わりじゃないぞ。腰を振ってみろ」


「私が……?」


「そうだ」


 そんな簡単に言わないで欲しい。自らレオの剛直を挿しいれただけで精一杯なのだ。


「出来ないわ……」


「出来るさ。手本なら散々見せてきただろ?」


 これまでの秘め事を思い出させる台詞に、なお恥ずかしさが募り、身体が熱くなる。


「だって……はしたないもの」


「はしたない? すでにはしたないことをしてるのに?」


 この状況を揶揄され、アリエッタは咎めるように潤む瞳で小さく睨む。


 確かに男の上に脚を開いて跨がるなど、この上なくはしたない行為だ。身体を清めるための浴室で下肢を繋げて。


「アリエッタが出来ないなら、ずっとこのままいるか? 俺は構わないぞ。キミの中は心地好くて、一日中だっていられそうだ」


 一日中、この硬度を保ったままいられるのだろうか。だがなんとなく、この男なら出来そうな気がする。





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