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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅
「お戯れも結構ですが、滞ってる執務をまずどうにかしていただかないと」
「それなら問題ない。うちには優秀な執事がいるから、無能な主人の代わりにやってくれるだろ」
ジョシュアの小言を微笑で受け流すと、彼は眉間に皺を寄せる。
「それは誰のことでしょうね」
「さあ? 俺よりジョシュアの方が彼のことを知ってるんじゃないか?」
なおも微笑で返すレオ。ジョシュアは深く溜め息をつく。
「半分だけですよ、まったく……」
「持つべき者は優秀な執事だな」
くつくつと笑えば一瞥された。
「レオ様。先程は結構と申しましたが、アリエッタ様とのお戯れもほどほどにしてください。あなたに付き合わされるアリエッタ様の身にもなっていただかないと」
「人を好色みたいに言うな。これでもかなり我慢してると思うぞ」
「ではもっと自重なさいませ。万一子を宿す事態になれば……」
「わかってる。そこまで迂闊だと思うか? ナキラにアリエッタの月のものがいつ来たか訊いて、計算はしてる」
飄々と言うレオに、ジョシュアは開いた口が塞がらないといったふうだ。
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