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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅
「違うのか? ではなぜだ? 理由を聞かせてくれ」
レオは机に肘をつき、指を組んで顎を乗せる。
アリエッタはレオの正面に立ち、躊躇いがちに理由を連ねた。
「レオの誕生パーティーなら、招待される方々は貴族ばかりでしょ? そんなところに私なんかが行けるはずないもの」
レオはアリエッタがザキファス公爵の娘であるとは知らない。ただの“町娘”ごときが王城に、それも王太子であるレオの一年に一度の誕生パーティーに赴いていい謂れはない。
「俺がいいと言ってるんだ。気にする必要はないだろ」
「それでも無理よ。学校の人たちにだって、私とレオが繋がってると知られてしまうわ」
せっかくルードリアン男爵の協力を仰ぎ、馬車を別々にしてるというのに、これでは協力も無駄になる。
アリエッタは学生から嫌がらせを受けようが一向に構いはしないが、困るのはレオだ。
ただの町娘と王太子に繋がりがあるなど、醜聞にしかならないではないか。
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