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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅
「それも問題ない。ちゃんと考えてあるから、アリエッタはなにも気にせず、俺と一緒に来ればいい」
気にするななんて無理だ。問題だって大有りだ。
誤解されて困るのはレオであるのに、なぜ彼は平然としていられるのだろう。
「それでも私、行けないわ。ダンスだって踊れないのよ?」
「そんなものどうとでもなる」
いつもならアリエッタはそろそろ折れる頃だ。だが彼女は頑なだった。
問答してもパーティーには出席しない姿勢を崩さない。
「どうあっても行かないつもりか? 俺のためでも? 祝ってはくれないのか?」
「……ごめんなさい」
レオの誕生日は祝いたい。当たり前じゃないか。他の誰でもなく、初めて愛した男なのだから。
頑な姿勢を貫くアリエッタに、レオはいよいよ不機嫌そうに訊ねてきた。
「では俺が他の女性をエスコートしたり、言い寄られてもキミは構わないと言うんだな?」
アリエッタはその言葉に冷や水を浴びせられた気分になった。
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