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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅


 先にレオが戻ってはいないだろうかとひやひやしながら部屋に入ると、まだ執務をしているのか、彼の姿はなかった。


 それから暫くしてナキラがレオの伝言を伝えにきた。遅くなるから先に休むように、と。


 アリエッタは内心ホッとした。とてもレオと顔を合わせる気分じゃない。



 寝台に潜り込み、端で身体を丸めて眼を閉じてみても、なかなか寝付けない。


 眠れぬままどのくらい時間が経過しただろうか。


 レオが寝室に入ってくる気配がし、アリエッタの隣に身を沈めた。


 すると寝たふりを続けるアリエッタをレオが引き寄せる。夜中にレオから離れても、朝目覚めると腕の中に収まっているのはレオが抱き寄せているかららしい。


 不自然に強張らないようにしていれば、レオがそっとアリエッタの髪にキスをした。


 思わず息が止まりそうになる。だが寝たふりを気取られまいと瞼を伏せ続けた。







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