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隠匿の令嬢
第11章 夜会での邂逅



「レオがどうしたの? なにがあったの?」


 ナキラの先導に従いあとを着いていく道すがら、アリエッタは不安げな面持ちで矢継ぎ早に質問をする。


「それがその……とにかく来ていただければわかります」


 邸内を走るのはマナーは悪いが、とてもじゃないが優雅に歩いてはいられないと、二人はスカートを持ち上げ駆ける。




 ナキラが連れてきた場所はレオの執務室であった。


「こちらにレオ様がいらっしゃいますから、あとはよろしくお願いいたします」


 執務室の前まで来るとナキラは緊迫した雰囲気を一転させ、朗らかに笑って去っていく。


 アリエッタは困惑し彼女の後ろ姿を見送るも、レオの安否確認が先だとノックもせずに踏み込んだ。



 そこには困り顔のジョシュアと平然と机に向かうレオがいた。


「レオ……? あの……無事なの?」


 髪を乱し、息を切らすアリエッタはペンを走らせるレオに揺れる瞳を向けていた。





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